本セミナーでは、ハイブリッド車や電気自動車の普及により、近年要求が高まっている軽量化も合わせて、材料からみる遮音・吸音技術について解説いたします。
(2013年9月17日 10:30〜12:10)
近年、環境へ及ぼす影響を軽減できる電気自動車やハイブリッド車の普及がすすんでいる。これらの車両ではエンジン騒音は小さくなったが、ロードノイズなど他の騒音の寄与が相対的に大きくなってきている。その一方、環境性能の観点から燃費向上のため車両の軽量化は必須の検討項目となっている。本講演ではロードノイズに対して効果の大きいフロントフロアの制振材・吸音材・遮音材について、質量に対する騒音抑制の効果すなわち質量効率を向上させることを目的に、仕様の適正化を検討した事例を紹介する。
(2013年9月17日 13:00〜14:40)
防音という言葉がよく使われるが、その範疇で機能する材料が吸音・遮音材料である。どんな材料でも剛体でない限り、音波の入射に対して吸音性および遮音性を持つもので、各種の材料を吸音材料、遮音材料として有効に機能させるためにはそれらのメカニズムを理解することが重要である。特に最近の環境問題との関わりから両者の機能を兼ね備えた軽い材料が多く使われるようになってきており、自動車用の内装材ではその傾向が顕著である。 そこで本講習会では吸音・遮音の発現メカニズムをしっかり把握し、材料を的確に用いるための勘どころについて講義を行う。また各種の多孔質材料に着目し、その吸音・遮音性の発現メカニズムを捉え、性能の高い吸音・遮音材料の設計・開発指針を与える。材料の使い方・選定法、材料設計のポイントなどについて、物理的イメージを大切にし、講義を行うものである。
本講演ではGFにシリカ含有量の異なるPU樹脂を含浸及び塗布することにより、軽くて強いというGFRPの特性に加え、柔軟性と遮音特性をも兼ね備えた5種類の材料を考案し、作製した供試材に対して、曲げ反発性および遮音性実験を行い、その中から柔軟性、遮音特性に優れた積層構造およびシリカ含有量を検討した。また,その他の遮音・吸音材料の試作と評価の結果についても合わせてご紹介します。