第1部 省エネルギー化に向けたRO/NF膜の開発動向と海水プラントへの適用
(2013年8月30日 10:30〜12:00)
近年、人口増加や地球温暖化さらには水源の汚染化に伴い安全で安心な水の供給が将来に渡り懸念されている。そういった世界的な水不足の問題解決策の一つとして海水を水源とする淡水創生のために、非従来型水資源開発として分離膜処理技術が大規模造水プラントに適用されている。
本報告では、主に我々が提供している水処理用分離膜による世界各地の海水淡水化処理の適用事例を中心に紹介する。
- 脱塩市場の動向
- 水処理用分離膜の紹介
- RO膜エレメント構造とRO膜技術のあゆみ
- 最新海水淡水化RO膜技術の海外稼働状況と各プラントの特徴
~スペイン、オーストラリア、アルジェリア~
- まとめ
第2部 逆浸透法海水淡水化の市場動向ならびにコスト低減化に向けた技術の進展
(2013年8月30日 12:40〜14:40)
中東や中国等の海水淡水化の市場動向を紹介するとともに逆浸透法による海水淡水化技術の基本を概説する。また、海外水ビジネスを有利に展開するための逆浸透プラントの低コスト化に向けた膜処理技術の最新情報を紹介する。
- 海水淡水化の市場動向
- 中東諸国等の水事情
- 逆浸透法海水化プラントの設置状況、将来展望
- 逆浸透法海水化プラントのコスト概要
- 主要プレーヤー:メガコンペティションの時代に突入
- 逆浸透法海水淡水化プラントの概要と最近の技術動向
- 低コスト化に向けた対応
- RO エレメントの開発状況 – 大型モジュール (16 インチ)
- 前処理法-膜前処理の進捗
- プロセス設計の進捗概要 – エネルギー回収、回収率、デザイン
- バイオファウリング対策
- ケーススタディー
第3部 海水淡水化における正浸透膜の利用及び技術開発動向
(2013年8月30日 14:50〜16:20)
最近、次世代の水処理技術のひとつとして正浸透膜を利用したForward Osmosis (FO) 法が注目されている。海水淡水化において現在主流である逆浸透 (RO) 膜法では水流束の駆動力として静水圧を用いるのに対して、このFO法では高浸透圧溶液 (駆動溶液:DS) の浸透圧を駆動力とする。そのためRO膜法と比較してFO法では高水流束、高処理水回収率、低ランニングコストでの海水淡水化が期待出来る。またFO膜を利用して海水淡水化プラントから排出される濃縮海水と河川水などの浸透圧差エネルギーから発電をおこなう浸透圧発電 (Pressure Retarded Osmosis: PRO) がある。
本セミナーでは、正浸透 (FO) 現象の基本原理を解説し、この原理に基づいた水処理プロセス及びエネルギー回収における技術課題とFO法海水淡水化及びPROの現状について述べる。
- 正浸透 (FO) 法の基礎
- 淡水化の未来技術としてのFO法
- FO研究の推移
- 浸透現象の原理①
- 浸透現象の原理②
- FO、PRO、ROの類似点・相違点
- FOを用いた水処理法
- FO法の特長①
- FO法の特長②
- FO法の特長③
- FO法海水淡水化の原理と課題
- FO用膜
- FO膜の要求性能
- 内部濃度分極 (ICP)
- ICPと膜構造
- 市販FO膜
- 最近のFO膜研究報告例
- FO用膜モジュール
- FO用とRO用の膜モジュール構造の違い
- スパイラル型FO膜モジュール
- 中空糸型膜モジュール
- 最近のFO膜モジュール報告例
- 駆動溶液 (DS)
- DSの要求性能
- DSの報告例
- DS再生法
- DS再生法の種類
- DS再生法の報告例
- 浸透圧発電 (PRO) の基礎
- 濃度差エネルギー (SGP) とは
- 膜を利用したSGP回収技術 (PROとRED)
- 逆電気透析 (RED) の原理①
- 逆電気透析 (RED) の原理②
- 浸透圧発電 (PRO) の原理
- PROとREDの比較①
- PROとREDの比較②
- PROとREDの比較③
- FO法水処理法の現状
- PROの現状
- まとめと質疑応答