第1部 自動車内装開発における感性工学と触感・感覚の計測・数値化・評価方法
感覚に着目した商品開発をするためには、個人差の影響を受けないものさしが必要である。そのため、評価、生理評価により、感覚を計測・数値化・評価する方法が研究されている。
感覚の数値化手法の紹介と、本手法を活用した商品開発事例について紹介する。
- 快適性評価の概要
- 感覚と感性
- 主観評価
- 機器評価
- 熱・水分特性に関する感覚の数値化
- 圧力特性に関する感覚の数値化
- 肌触り・風合い (触感) に関する感覚の数値化
- 生理評価
- 触感に特化した商品開発の事例
- ファブリック
- 心理・生理的にリラックスする触感
- 触感の機器評価法
- ファブリックの構成
- 心理・生理評価
- 合皮「ブレスレザーⓇ」
- 自動車内装材に求められる触感
- 触感の機器評価法
- 合皮の構成
- フィルム「和触感Ⓡ」
- 触感の機器評価法
- フィルムの紹介
- 触感計測の今後の展望
第2部 シボ加工による立体感・機能・高級感付与
試作及び量産の各分野で採用可能なシボ加工技術の種類と用途事例
- エッチング加工
- 工法
- 特徴
皮模様・幾何学柄・親水性・触感等特徴がある模様を金型に加工します。
- 使用用途
- 自動車分野:インスト・ドアー・ピラー・シート廻りの量産用金型、試作用金型 (INJ金型・ブロー金型) 等
- バナトーン加工
- 工法:
- 金型へのエッチング加工を行わないで、製品の表面にシボ加工を行う方法。
模様が付いている厚さ150μ~のシートを作成 (エッチングの模様データーを使用) し製品表面に貼る工法です。
- 特徴:
- エッチングで金型に加工し成形した製品と同等な模様がシートに再現出来ます。
- 使用用途:
- 新柄開発 (お客様がデザインした柄を3次元化出来ます)
- Dモデルに貼り製品になった時の表面出来栄え確認が可能です。
- 自動車分野:社内評価用モデル、モーターショー用コンセプトカー、シボ模様開発、等。
- セラシボ加工
- 工法:
- 金型へのエッチング加工を行わないで、マスター模様をセラミックシートに反転させ、そのシートをインジェクション金型キャビ表面に貼る技術です。
厚さ150μ~のシートを作成し金型に貼り成形品はマスターと同様な柄を再現出来ます。
貼ったシートを剥がして違う模様を貼る事で金型の再利用が可能。
自動車分野・マイナーチェンジを行う場合、現状のシートを剥がし新たな模様のシートを貼る事でチェンジ量 (絞柄変化により) が大幅に拡大する事が可能です。
ABS樹脂でグロス0.1の成形品が可能。
- 特徴:
- 石・和紙・カーボン柄等反転可能なマスターを支給頂ければ金型に貼れます。
- 使用用途:
- 化学的腐食では無理な微細な模様を再現が必要な場合。
- リアルサーフェーステクノロジー加工
- 工法:
- マスター模様に忠実でより質感が高いシボ加工を製品表面に行う技術です。
- 特徴:
- 模様が付いている厚さ150μ~のシートを作成し金型に貼り成形品はマスターと同様な柄を再現出来ます。
- 使用用途:
- セラシボ再現性確認及び、コンセプトモデルへの使用。
- セラマット加工
- 工法:
- 弊社商品のセラシボの原料と同様の素材を液状にした物を、金型のシボ面に 塗布し製品の表面の乱反射を多くし成形用樹脂部品のプラスチッキー感や白ボケ色ムラを改善する事もできます。
- 特徴:
- 塗装対象部品に関しては、エッチングシボ加工後にセラマットを行う事により、製品によっては塗装レスによるコストメリットが得られます。
原着製品でも従来品 (エッチングシボ+ブラストにてGLOSS調製品) に比べ低グロス化が図れ、製品のクォリティーを高める事が可能です。また、ウェルドやヒケも見えにくくなります。
- 使用用途:
- 量産している部品でグロスが高く勘合部品とのグロス差が質感を落としている物、製品に塗装を施してコスト高になっている物への加工。
(加工地域限定:日本・アメリカ・タイ・マレーシア・インドネシア・ドイツ・ブラジル予定)
- ナノフィールド加工
- 工法:
- 金型のシボ面の上に張微細な柄を再度腐食加工し乱反射量を多くしシボ面の低GLOSS化を行う加工です。
- 特徴・使用用途は※セラマットと同様、本品の加工は当社の海外子会社及び提携先で加工対応が可能です。
第3部 自動車メーカーが考える「喜ばれる自動車内装」と、感性工学を用いた商品開発
近年、欧州を中心に自動車の内装質感に対するお客様の期待が高まり、質感の向上が自動車メーカーの重要な課題となっている。しかしながら、質感は人それぞれの感性に依存しているため、具体的な設計仕様として明確にしにくい。そのため、感性工学を用いて質感のメカニズムの解明と定量化に取り組むことが必要となってくる。
本セミナーは、視覚的な表面質感について、評価要素を明確にし、部品表面の光の様子を定量的に捉えることで、質感の良し悪しを説明する設計手法を解説する。また、この知見に基づいた表面質感のバーチャル技術について、自動車の開発プロセスの中で活用している事例を紹介する。
- 自動車内装質感向上の取り組み事例
- 取り組みの基本的な考え方
- 内装質感の価値観分析
- 内装材の表面質感
- 感性工学を用いた、表面質感 (色、艶、シボ) の定量化
- 内装色が質感に及ぼす影響
- 加飾の質感と機能
- 金属調加飾の本物感について
- 加飾の操作性への貢献
- 表面質感メカニズムに基づくバーチャル技術の紹介
- バーチャル画像の作製フロー
- バーチャル活用事例紹介