UV硬化型コーティング材は、過熱硬化タイプのコート材と比べると幾つかの特徴ある硬化挙動を持っています。UV硬化型コート材を使用したり開発する時に、この硬化挙動の特徴を知る事は極めて重要です。
本講習会においては、まずUV硬化型コーティング材の硬化挙動の特徴とその測定方法を説明いたします。また、UV硬化の欠点である硬化収縮を低減する技術についても、併せて述べます。また、コーティング材料における応用先としては各種基材がありますが、その基材とUV硬化型コーティング材の付着性向上技術は重要です。
本講座では、付着理論全般の説明とそれのUV硬化型コート材への応用について述べ、各種基材への付着性向上の方法もあわせて解説いたします。
【1】UV硬化型コーティング材の硬化挙動の測定方法と挙動の特徴
- 硬化挙動把握の重要性
- 硬化挙動への影響因子と物性
- 硬化挙動への影響因子
- 硬化状態と物性
- 酸素による硬化阻害 (UV硬化型コーティング材の硬化挙動の特徴)
- 酸素による硬化障害が起こる理由
- 酸素による硬化障害の測定例
- UV硬化型コーティング材の硬化挙動の解析方法
- 硬化物の硬度による硬化挙動の解析
- 引っ掻き硬度 (鉛筆硬度試験)
- 耐スチールウール試験
- ナノインデンテーション硬度試験 (微小硬度試験)
- 各硬度試験の特徴
- ゲル分率による硬化挙動の解析
- 赤外分光々度法による硬化挙動の解析
- 全反射測定法の概要
- 反応率の算出方法の概要
- 測定実例
- リアルタイムFTIRによる硬化挙動の解析
- 光DSCによる硬化挙動の解析
- ラマン分光分析法を用いた硬化挙動の解析
- NIR (近赤外) 分光分析法を用いた硬化挙動の解析
- 誘電分析 (DEA) による硬化挙動の解析
【2】UV硬化型コーティング材の付着性向上技術
- はじめに
- 付着性に関与するUVコート材特有の要因
- 硬化時の硬化収縮について
- 硬化収縮とは
- 硬化収縮の測定方法:比重法による測定方法、ひずみ法
- 硬化収縮の一般的な傾向
- 硬化収縮を少なくする方法
- UV硬化条件と付着性
- UV照射条件と付着性の関係について
- 膜厚と反応率について
- 照射条件の最適化
- 付着理論について
- 剥離の形態について
- 付着の理論
- ぬれと付着
- 付着理論の概要:拡散説、吸着説、電気接着説、投錨効果説、WBL層からの剥離
- 各付着の理論をどう考えるか
- 付着理論をベースとした付着性向上方法について
- プラスチック素材への付着について
- 極性の低い高分子素材の場合 (PS,PC,PPなど)
- 極性の高い高分子素材の場合 (ABS,PET,アクリル樹脂など)
- 無機素材 (金属・ガラス) への付着について
- 吸着説を利用して付着性を向上させる。
- 化学結合を利用して付着性を向上させる。
- 前処理で付着性を向上させる方法について
- 一般的な前処理
- 脱脂
- 研磨ないしブラスト
- 難付着性高分子素材 (PET,PPなど) の前処理
- フレーム処理
- コロナ放電処理
- プラズマ処理