第1部 再生医療のための生体吸収性高分子多孔質足場材料の作製技術と開発動向
(2013年8月19日 10:30〜12:10)
本講演では、再生医療のための高分子多孔質足場材料の研究開発の最近の進歩と今後の展開について紹介する。特に、氷の微粒子による足場材料の多孔質構造の制御や生体吸収性合成高分子と天然高分子との複合化、自家足場材料、三次元パターン化多孔質足場材料などの例を挙げながら、再生医療に相応しい多孔質材料およびその製造方法について述べる。
- 足場材料の役割
- 足場材料の必要条件
- 足場材料の原材料
- 生体吸収性合成高分子の多孔質足場材料
- 天然高分子の多孔質足場材料
- 細胞外マトリックス足場材料
- 自家多孔質足場材料
- 複合多孔質足場材料
- 多孔質足場材料の作製方法
- 生体吸収性合成高分子と天然高分子の複合化技術
- PLGAとコラーゲンの複合スポンジの作製
- PLGAとコラーゲンの複合メッシュの作製
- 被覆型多孔質足場材料の作製
- シリンダー状の多孔質足場材料の作製
- 氷微粒を用いた多孔質足場材料の作製
- 多孔質足場材料のバルク孔の制御
- 多孔質足場材料の表面孔の制御
- 三次元パターン化多孔質足場材料の作製
- 階層多孔質足場材料
- 氷微粒子を用いた多孔質足場材料の作製法
- グラジエント多孔質足場材料
- 気孔率の制御
- 多孔質足場材料の組織再生への応用
- 今後の展望
第2部 ポリ乳酸系高分子の生分解性制御およびバイオマテリアルとしての機能化
(2013年8月19日 13:00〜14:40)
ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル類は,生体内分解吸収性の医療用材料素材として重要である。特に近年では,ドラッグデリバリーシステムや再生医療用材料への応用が盛んに検討されている。本講では,生分解性高分子材料について,特に分解吸収速度の調節を目的とした分子設計手法について解説した後,こうした生分解性高分子を用いた「スマートバイオマテリアル」としての医療用材料への応用展開について解説する。
- はじめに
- 生分解性と分子構造,合成法,成型方法との関係
- 分子構造と生分解性
- 合成手法と生分解性
- 形態・成型方法と生分解性
- ポリ乳酸類の合成方法
- ポリ乳酸の改質と機能化,種々の形態のポリ乳酸共重合体の合成
- ランダム共重合体
- グラフト共重合体
- 分岐構造化
- 超分子構造を用いた特異的分解
- 生分解性スマートバイオマテリアルの設計
- 高分子ミセル型ドラッグキャリヤ
- ナノゲル型ドラッグキャリヤ
- 温度応答性ゾルゲル転移インジェクタブルポリマー
- 形状記憶・回復ポリマー
- 総括
第3部 生体吸収性高分子材料における医療機器への応用と開発動向
(2013年8月19日 14:50〜16:30)
著者らによってこれまでに臨床応用された、あるいは、近い将来臨床応用の可能性が大きいポリ乳酸やポリグリコール酸の生体分解吸収性デバイスインプラント製品を紹介し、それらデバイスに生じている臨床でのトラブルや問題点、またそのトラブルを解決するような新規材料開発技術の現状について紹介する。
- 生体吸収性高分子の医療機器
- 生体吸収性高分子の種類
- 生体吸収性高分子の安全性
- 医療機器としての生体内分解吸収性材料の用途
- 脂肪族ポリエステル系の医療機器
- 手術用縫合糸
- 吸収性縫合補助材
- 組織再生用吸収性メンブレン
- ポリ乳酸ステレオコンプレックス
- 生体吸収性骨固定材
- DDSキャリアー
- 食品添加物を用いた医療機器
- 医療用接着剤
- 医療用シーラント
- 術後の癒着防止材