最近、リチウム電池や燃料電池という言葉をよく耳にします。一般に、電池は電気化学反応を利用して電圧を作り出しています。 これまで電気化学の対象は電解液と呼ばれる液体が中心でした。これに対して、リチウム電池や燃料電池では固体が中心的な役割を果たしています。なぜ固体なのでしょう。そして、これらを扱う学問分野は何でしょうか?それが固体イオニクスです。 固体イオニクスとは固体中でのイオンとそれに伴う電子の運動に関する科学と応用技術に関する学問で、実際には固体物理、固体化学、電気化学、無機化学、材料工学など多くの分野を含む複合科学です。実用的な見地からきわめて興味深い固体イオニクスも、広範な分野を含むことから一冊の本でまとまって学ぶ機会も多くありません。 この講演では、専門外の方が固体イオニクスの基礎を理解することを目指して、質問に答えながらなるべくわかりやすい講演を行います。
※基礎編に2時間、測定編に1.5時間、応用編に1時間、質疑0.5時間程度の時間配分を予定しています。